■ 抄録・要旨
| 埼玉県内の河川水質は改善が進み、環境基準達成率も全国と同程度にまで向上しているが、河川水は黄褐色をし、濁り、臭気もあるため、清澄感は感じられない。これには河川水中に存在する藻類が影響していると考えられたため、本研究では埼玉県内の環境基準点等においてChl-aや栄養塩等の水質調査を行ない、県内河川の富栄養状態の現状を把握することを目的とした。その結果、市野川水系や中川水系は他の水域に比べて藻類の存在レベルが高く、富栄養湖沼と同程度であった。窒素/リンの存在比率から推定すると、県内河川のほぼ全てはリン制限となっているが、そのリンでさえ、年平均値が0.1mg/Lを上回る水域が多数存在しており、河川水の藻類増殖ポテンシャルは非常に高いことが推察された。
|